参加者へのメッセージ

参加者へのメッセージ

菅沼 光弘 守るべき日本の国益
菅沼 光弘 すがぬま みつひろ

アジア社会経済開発協力会・会長
(元公安調査庁・調査第2部長)

 平成二十一年春、わが国日本の現状に強い危機感をいだく有志の人々が立ち上げた「国益を考える講演会」の開催を機に、これまでの数年間に、さまざまな講演会や集会で発言してきた内容を取りまとめて語りたいと思う。ほとんどが原稿なしでの発言であるので、その内容が重複し、あるいは理論が飛躍していると思われる部分をもあったと思うが、その底に一貫して流れているのは、アメリカの衰退と中国の勃興、野心的なロシアの台頭という新しい東アジア情勢の中で、このままでは日本は本当に生き残れないのではないかいう強い危機感である。換言すれば、独立自尊の日本国家再生への熱い思いでもある。

わが国日本は、悠久の歴史を通じ、独立自尊の国家として、毅然として東アジアの国際社会に臨んできた。だがしかし、先の大東亜戦争敗戦の結果、戦勝国アメリカは敗戦国日本を全面的に支配し、歴史上例を見ない形で日本の、日本たるアイデンティティーを抹殺して、国のあり方を変えてしまった。敗戦のショックで茫然自失となった日本国民は、アメリカの占領政策に簡単に洗脳され、東京裁判史観に汚染されてしまった。しかもこのアメリカの日本無力化政策には、大学、新聞、出版などのいわゆる進歩的文化人ばかりでなく、戦時中軍部に抑圧されていた外務官僚や内務官僚まで加担してきたのである。残念ながら、このような状況は外交だけではなく日本社会のあらゆる部分での対米追随一辺倒というかたちで、敗戦から六十余年を経た今日まで続いている。日本国民の国家意識は、今も他国の例を見ないほど希薄なままである。この国を愛しその国民であることを誇りに思う国家意識がない所に国益を守る気概はでてこない。

わが国は「スパイ天国」と各国の諜報の世界から例えられている。スパイ防止法が存在しないことがその最大の理由である。わが国にとって有害なスパイ活動が発覚しても刑事罰を受けるどころか、国外退去という強制措置でさえ、時には行使できないときが多いのだ。外国のスパイたちにとって、日本はスパイ交流の地でもあり、まさに天国なのである。わが国と異なり、諸外国は天文学的な数値の予算を投じた様々な諜報戦を世界で展開している。情報収集及び分析能力の精度差によって、時には一国の運命が左右される。対外諜報戦に法的防御策を講じていない国家とは、世界で(戦後の)日本だけである。この事実でさえ、議論することもままならない現状は異常なのである。

あの地下鉄サリン事件は、世界ではじめて、大量破壊兵器である化学兵器を使用した無差別殺人テロである。あれだけの犠牲者を出しながら、当時のオウムに対して破防法の適用は否定された。これでは国民の生命と安全を守るという、国家としての最高義務ははたされない。日本国そのものが崩壊しはじめた証明ではないか。同時にこのとき破防法反対した者を選んだのも国民なのだということを忘れてはいないか。

精度の高い情報収集能力は国家運営で欠かせない最も重要なものである。国益を懸けた各国における諜報戦のあり方が時代と背景によって、目まぐるしい速度で七変化する。これらの世界情勢にわが国は対応できないのである。将棋で例えるなら、相手の駒の位置さえわからない、見えない状態で、しかも手持ちの駒も圧倒的に少ない。このような状態で、将棋をしているようなものだ。

外交の目的は国益の追求である。そして国益とはわが国の国民の安全と繁栄である。したがって外交は国益を懸けた戦争なのだという現実を私たちは再認識しなければならない。情報、軍事と経済のパワーバランスの上に確立された国力という名の武器をもって、外交という戦争は初めて有効に遂行できるのである。スパイ天国と喜ばれ、国民が拉致され、殺されても軍事力を満足に行使できないような国家の外交とは、例えば資金を豊富に積んだ無防備の船舶で、海賊の生贄になるためにソマリア沖を永遠にさまようようなものだ。

集団的自衛権も行使せずに、金を貢いだだけでは国連軍に日本を守ってもらえるという保障は無い。どこの国でも自国の国益のために軍事力を行使するのであって、自国の国益を度外視して、他国を守ることなどない。何かにつけて日本を貶めることは忘れないが、兄弟や友として外国を信じて疑わない何処の国の政治家?と間違うような方々にはこれを理解するのはもう無理かもしれないが。

近年、日本食が世界中で人気が高い。中でも寿司の人気店では予約を取らないと座れないほどだ。例えば、フランスなどでも、カフェバーとまちがうような派手な寿司店などがある。そのような店で出てくる寿司は日本では受け入れ難い代物だが、パリジェンヌには受けがいい。日本の醤油もフランス料理に巧みに取り入られている。寿司も醤油もフランス流の一つの文化になりつつあるのではないか。フランスにはフランスの伝統、文化と誇りがあるように、外国が真似できない日本の伝統、文化と誇りがわが国にはある。良いものは外国から日本流として取り入れることは賛成だが、なんでもかんでも外国の真似は良くない。自国の伝統と文化を軽んじたモノマネ国は未来が無い。

例えば、老舗の料理店にも独自の伝統と文化があり、その店の基本がしっかりしているから繁盛している。伝統、文化と基本を疎かにしては新しいものを取り入れても失敗して店は衰退する。国家運営の基本も同じなのである。伝統と文化の延長線に国家が成立することを再認識して欲しい。国家生存の万国共通の基本、国民の生命と財産を守る。この基本を外国に依存するような国は、史実が証明しているようにやがて消えていくだろう。このままでは「日本が潰れる」と危機感が日々増している。

全国から参加者が集まる国益を考える講演会と懇親会を楽しみにしています。真実を伝えに参ります。

菅沼 光弘
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